ご存知ですか?公証制度

自分の死後、財産の承継でもめないだろうか?
認知症等で自身の判断能力が不十分になってしまったら、財産管理や契約で不安である。
そんな「もしも」に備えて、老後の安心設計のために、
「公証制度」についてご紹介します。

公証制度

齢を重ねると認知症のことや遺産相続のことが心配になってきます。そのために公証制度があると聞いたことがありますが、公証制度とはどんな制度のことですか。

 一般的に市民生活の中で、民事上の争いが起きると、裁判所の判決や和解などで解決します。一方、公証制度は、争いが起きる前に、法務大臣から任命された公証人が、将来の紛争の予防を図るために売買、賃貸借、金銭の貸借などの各種契約や遺言などの作成について、関係当事者の依頼を受け、遺言や契約などをさまざまな法律に基づいて書面(これを公正証書といいます)で公証する制度です。
 たとえば、もしも突然亡くなったり、認知症になってしまうと、自分の意思で遺産を贈りたい人に贈れなくなってしまいます。また、自分の財産の管理ができなくなったり、いろいろな契約ができなくなってしまいます。
 このようなことにならないようにするためには、遺言書を書いておいたり、任意後見契約を結んでおく必要があります。
 ただし、個人的に遺言書を書いておいてもその内容が正確でないとその通りになるとは限りません。また、個人的に委任契約を結んでいても、委任した人が認知症になってしまうと、引受けた人が約束どおりの仕事をしてくれるかどうかが心配です。
 そこで、公証人による公正証書を作成しておき、もしも認知症になったとしても確実に約束が果たされるようにするのが公証制度です。

遺言

公証人が作成する遺言書とはどんなものですか。また、ほかにはどんな種類の遺言がありますか。

 まず遺言の方式についてご紹介しましょう。遺言の主な方式には、公証人が作成する公正証書遺言、自分で作成する自筆証書遺言、その他に秘密証書遺言があります。
 この中で最も多く利用されているのが公正証書遺言と自筆証書遺言です。公正証書遺言とは、公証人が遺言者の真意を聞き、法律に基づいて作成し、正確に文章にまとめたものです。
 自筆証書遺言は、遺言の内容などの全文を自分で書く遺言のことです。自筆証書遺言の場合、他の人に書いてもらったものや、パソコンを使用したものや録音、録画に記録したものも無効になります。自筆証書遺言の長所は、遺言の存在や内容を秘密にできることですが、遺言書を盗まれたり、破棄されたり、偽造されたり、紛失する恐れがあります。特に、遺言者の死後に本当に本人が書いたものかどうか、争いが起きることがあります。
 公正証書遺言と自筆証書遺言の最大の違いは、裁判所による「検認」の手続きの有無です。自筆証書遺言では、遺言者の死亡後、遺言者の出生時から死亡時までの戸籍謄本などや、相続人の戸籍謄本などを準備して、家庭裁判所に申し出て検認の手続きを受けなければなりません。しかし、公証人が作成した公正証書遺言なら検認を受ける必要がなく、法定の方式に反するという理由から無効になるということがありません。公証人が作成する公正証書には、遺言や契約の有効性と強力な証拠力が与えられているのです。
 秘密証書遺言とは、内容を秘密にしたまま、存在のみを証明してもらう遺言のことです。秘密証書遺言を作成する場合は、遺言する人が2人以上の証人を連れて、自分で作成した遺言書を公証人のところまで持っていきます。そして遺言書の内容を秘密にしたまま、遺言書の存在だけを公証人に証明してもらいます。公証人に存在を証明してもらえるので、自筆証書遺言のように遺言書が本物かどうかといった遺族間の争いは起きません。また、公正証書遺言のように、遺言の内容を人に知られてしまうこともありません。さらに、パソコンの使用、代筆が可能(自筆の署名、捺印は必要)です。短所もあります。この秘密証書による場合、公証人は遺言の内容を確認をするわけではないので、遺言としての要件が欠けてしまう場合があります。また、家庭裁判所の検認の手続きが必要となります。加えて、秘密証書遺言は遺言者が持ち帰りますから、自筆証書遺言同様に遺言書を盗まれたり、偽造されたり、破棄されたり、紛失する恐れがあります。

公証人が作成する公正証書遺言は、どうやってつくるのですか。

 公正証書による遺言の作成は決して難しいことではありません。
 遺言をする本人が、実印や印鑑証明書などを用意して、公証役場へ出向き、公証人に対して自分が考えている内容を話せば、公証人がその内容を書面(公正証書)にします。本人が病気などで公証役場へ出向くことができない場合は、公証人が自宅や病院、施設などに出張して作成します。また、2人以上の証人の立ち会いが必要ですので、公証人に依頼すれば紹介してくれますので安心です。

公正証書遺言を作成する費用は、どのくらい必要ですか。

 手数料は、「法律行為に関する証書作成の手数料」「法律行為でない事実に関する証書作成の手数料」「認証に関する手数料」「その他の手数料」について、詳しい規定を設けています。計算の方式としては、目的の価額により算定する方式、必要とした時間により算定する方式及び証書等の枚数により算定する方式を使い分けています。
 契約や法律行為に係る証書作成の手数料は、その目的価額により定められていて、5000円(目的の価額が100万円以下)から4万3000円(目的の価額が5000万円を超え1億円以下のもの、さらに1億円以上の区分もあります)まで、7区分となっています。ただし、目的の価額が算定不能の場合は1万1000円となっています。

任意後見契約

任意後見契約

将来もしも認知症や脳こう塞などになった場合、財産の管理を自分でできなくなってしまうことが不安です。

 そういった場合に備えるために、『成年後見制度』があります。成年後見制度には、裁判所の手続きによって後見人などを選任してもらう「法定後見制度」と、判断能力があるうちに当事者間の契約によって後見人を選ぶ「任意後見制度」があります。この任意後見制度は、平成12年4月1日に始まりました。

自分が元気なうちに信頼できる人を後見人に選びたいと思います。しかし、その人がちゃんと仕事をしてくれるかどうか、また病院・施設・銀行などの担当者が後見人を自分の代理として認めてくれるかどうかが心配です。

 そのためにも本人と後見人(妻・子・友人など信頼できる人)の間で契約を結ぶことが重要です。この契約は、長年法律的な仕事に従事し、深い知識と経験を持つ公証人が作成する契約書(公正証書)によるものでなければならないと法律で定められています。出来上がった契約書は、双方にお渡しします。
 任意後見契約をした後、本人の判断能力が衰えた場合は、親族などが本人の同意を得て、家庭裁判所に任意後見を開始したいので「任意後見監督人」を選任して欲しいという申し立てを行います。家庭裁判所が任意後見監督人を選定すると、任意後見人は契約に定められた仕事を始めることになります。任意後見人がきちんと仕事をしているかどうかは、任意後見監督人がチェックをするので安心です。
 任意後見契約は、公証人によって法務局で登記されます。法務局は任意後見人の請求により「登記事項証明書」を交付しますので、本人の代理であることを証明することができます。これで医療・介護施設や金融機関の担当者も安心して、スムーズに仕事をすることができるわけです。

任意後見人には、どのような仕事を任せることができますか。

 大きく分けると2種類の仕事を任せることができます。一つは、財産管理です。具体的には、自宅などの不動産、預貯金、年金などの管理と、税金や公共料金の支払いなどです。
 もう一つは、介護や生活面の手配です。これには要介護認定の申請などに関する手続き、介護サービスを提供する施設との契約や支払い、入院の手続きや費用の支払いなどです。任意後見契約は本人と後見人との契約ですから、法律に違反しない限り、双方の合意によって自由に仕事内容を決めることができます。

任意後見契約を結ぶには、どのような書類が必要ですか。

任意後見契約

 本人は、印鑑登録証明書、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、住民票が必要です。一方、任意後見人になる人は、印鑑登録証明書と本籍の記載がある住民票が必要です。これらの書類は、発行後3カ月以内のものとなっています。

任意後見契約公正証書を作成するための費用はどのくらい必要ですか。

費用については、次のとおりです。

公証役場の手数料 1万1000円
法務局の登記印紙代 2600円
法務局への登記嘱託料 1400円
書留郵便料 約650円
用紙代 250円×枚数

尊厳死宣言

将来、不治の病気になり、その病気が原因で死が迫っているとしたら延命措置を避け、人間としての尊厳を保ったまま安らかな最後を迎えたいと思っています。いわゆる「尊厳死」は可能でしょうか。

 日本人の平均寿命は、年々延びています。少しでも長生きしたいというのは本能ですが、もしも回復の見込みがない末期状態に陥ったときは、「延命治療を打ち切って人間としての尊厳を保ったまま死を迎えたい」「過剰な末期治療による家族への精神的・経済的な負担を避けたい」と考える人が増えています。
 尊厳死という言葉は、法律用語ではありませんが、公証人役場では「尊厳死宣言公正証書」を作成することができます。
 これは尊厳死を望む人の意思を公証人が聴取して、その結果を公正証書にするというものです。公証人は自分で直接見たり聞いたりした内容を、『事実実験公正証書』として作成することができますので、「尊厳死宣言公正証書」も事実実験公正証書の一つということになります。

「尊厳死宣言公正証書」を作成しても、医師や家族が宣言どおりにしてくれるでしょうか。

 尊厳死は、該当する法令がなく、許容されるための要件などの議論は尽くされているとは言えません。しかし、尊厳死の普及を目的とする日本尊厳死協会の機関誌「リビング・ウィル」のアンケート結果によると、尊厳死の宣言書を示した場合の医師の尊厳死許容率は、平成15年で95・9%、翌16年で95・8%に達するとなっています。
 尊厳死宣言公正証書の作成に当たっては、あらかじめご家族とよく話し合って、自分が尊厳死を望む意思であることを明確にし、いざそのときになって家族が反対しないよう了承を得ておく必要があります。そのうえで、「尊厳死宣言公正証書」の中の条項に家族が了承していることを明記し、本人が署名・捺印します。こうすることで、医師に安心して延命治療の差し換え・中止してもらうことが可能になります。

公証人に「尊厳死宣言公正証書」を作成してもらうためには、どのような書類が必要ですか。

 作成の際には、本人の印鑑登録証明書と実印(または免許証やパスポートなどいずれか1つ)を公証人役場へ持参してください。前述のように「尊厳死宣言公正証書」に本人が署名・捺印して完成します。本人には、公正証書・正(謄)本を交付しますので、自分で保管してください。これは、自分一人で公証役場に出向いて作成できます。
 なお、作成した公正証書の原本は、公証人役場で長期間保管します。

遺言書の中に「尊厳死宣言」を明記しておいてもいいのでしょうか。

 遺言書は財産などの相続を目的として作成するものであり、死後事項に関するものです。つまり、生前の延命措置拒否の意思表示とは性質が異なります。尊厳死宣言公正証書は、遺言書とは別に作成します。

尊厳死宣言公正証書を作成するための費用はいくら必要ですか。

 手数料は約1万3500円(基本料1万1000円、正本・謄本約2500円)になります。病気などで公証役場にお越しいただけない場合は、入院先の病院や療養中のご自宅に公証人が出張して作成します。この場合は、出張日当と実費が別途必要になります。

人生のステージ

死後の備え

「死後事務委任契約」とは、どのような契約ですか。

 自分の死後の葬儀や埋葬などに関する事務についての代理権を与えて、自分の死後の事務を委託する委任契約のことです。お子さんがいらっしゃらない人は、友人や親戚の人を受任者にして契約を交わしておけば安心です。
 一般的に委任契約は委任者の死亡によって終了するものですが、契約で「委任者の死亡によっても契約を終了させない」という合意をすることもできます。この合意があれば、受任者が死後事務委任契約に記載された事務を行うことができるようになります。

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